曖昧ソースの髙木さん

山形大学iFront6期生

仮想通貨の売買でうっかり親の扶養を外れそうになって節税策を調べ尽くした話

2017年5月からコインチェックで仮想通貨の売買を初めて、11月に含み益が200万円、確定させた利益が40万円ほどになりました。

現在私は大学4年生で、バイト等での給与所得は特に得ておらず、サラリーマンの親の扶養下にあります。

親の所得にもよりますが、うちの場合は扶養を外れた瞬間に20万円くらい余計に税金を収める必要が出るようで、催促されてやっと調べ始めた次第です。

年初からビットコインアルトコインもかなり上昇しているので、こういった学生は一定数存在すると思われますが、一般的な仮想通貨絡みの税制を解説した記事はサラリーマンが対象で、学生向けの情報がほとんど存在しませんでした。

そこで、ここ数週間は、いろいろな記事に分散していた学生に関係しそうな記述を集めたり、分からなかった部分に関しては税務署に確認したりして、関連情報を収集しまくっていました。

せっかく集めた情報ですので、同じような「扶養外れそう!困った!」という学生がいれば参考にしていただけたらな、と思って、この記事を執筆した次第です。

 

 

時系列でまとめると、

10月後半、BCH(ビットコインキャッシュ)が突如数倍の値段に跳ね上がる

11月も半ばだし、一度今年の利益を確認してからどの程度の売買ができるのかを確認しよう

計算の結果、扶養を外れるかどうかのライン上にいることが判明

なんとか扶養を38万円以内に収めるべく、ネットで調べまくるが矛盾した情報も多く税務署で聞きまくる

という順番です。

本当はフローチャートなんかで纏めたほうがわかりやすいのですが、そこまで自分に関係ないパターンも調べる余裕がないので私の調査を追体験するカンジでお願いします……

 

【ポイント1】103万円の壁はウソ! 38万円/年で扶養は外れる

知っている人にとっては当たり前なのかもしれませんが、私は知りませんでした。というか、勘違いしていました。というのも、「今年バイトしすぎて103万円超えて扶養外れそうだわ〜」という友達の話を聞いたからです。しかしそれは、仮想通貨トレーダーではなく給与所得者の話。給与所得を得るために必要な経費として65万円の給与所得控除が適用されるので、103万円もらえても実質的に所得として考えられるのは38万円である、という扱いになるそうです。

(このネーミングが致命的ですよね。扶養が外れるかどうかの計算は医療費控除だとか控除の名のつくものを計算する前に判定することになっているのですが、この給与所得控除は控除とは名ばかりの「経費申請のみなし制度」であって、だから収入から経費を引いた額が所得という定義が優先されるという……)

つまり、雑所得である仮想通貨の売買益は、収入から経費(だけ)を除いた所得が38万円を超えた段階で扶養を外れるということですね。

これ、「後で学生納付特例制度を使って納めていなかった年金をまとめて納付して、社会保険料控除で調整すればいいや〜」と思っていたので、きちんと調べていなかったら気をつけていたのに扶養を外れるところでした。危ない危ない。

 

【ポイント2】経費計上は誤差! 含み損・含み益の通貨で調整しよう!

長期保有しかしないから今年の売買益は絶対プラマイゼロだろ、と始めた当初は思っていたのですが、中国で仮想通貨取引の規制が入って相場が乱高下した時にデイトレをしてしまってうっかり……というのは誰にでもありますよね!

ガチホ有利と言いつつもやっぱり短期的な相場を予想しやすいタイミングも訪れるわけで、最初の見通しが甘かったと反省。

上がった通貨を売って下がった通貨をナンピンしていたこともあって、43万円ほど利益が出てしまって何かしらの対策を講じなければ……となっていたタイミングで含み損を抱えていた銘柄を売るという選択肢はありました。

売買手数料が高いのであまり損益の確定だけのために一度日本円に戻す、というのはあまりやりたくなかったのですが、上述の社会保険料控除が使えないことがわかったのでタイミングを見計らってRippleを売りました。

jp.cointelegraph.com

 

31円で買った1万XRPを25円で売ったので6万円の損益ですね。まあ、5勝1敗の1敗くらいなんで良しとしましょう。

これで38万円以下に所得を抑えることができました。

ちなみに、仮想通貨売買に必要な経費って本当に少なくて、いくら頭を捻ってみても入金・送金手数料の数百円くらいなものでした。パソコンも実際に売買に使用している割合が2%くらいとして買い替えサイクルが4年と考えると1年あたり0.5%なので元値10万円でも計上できるのが500円、それに所得税率20%をかけて100円の節税効果という……。スマホの費用も4万円/年くらいで売買に使用してるの10%くらいですし……。

ベルリンでLiskのカンファレンスに参加したら旅費を経費申請できますか? って聞いてみたんですが、それに参加しないと売買できないんですか? って言われて合理的な説明ができる気がしなかったので諦めました。

いや、ベルリンに行くような時間的・金銭的余裕は無いんですけどね。

 

ちなみに、これから年末調整用に損益が出そうな通貨でオススメなのが、BTC + BCH です。

こんなマニアックなブロクを読んでいる人には周知の事実だと思いますが、マイナーが覇権争いをしてくれているおかげで、BTCもBCHも乱高下しつつBTC+BCHの時価総額は常にほぼ一定になる特性がありますから(執筆時点での話)、これ年末に扶養内に収めようと手頃な銘柄を探している学生や主婦のための通貨なのでは?? と疑いたくなるレベルです。

下がった方だけ売って、利益は来年に持ち越しながら損失だけ今年の分として計上しましょう。

【ポイント3】利益が大きいなら、いっそ学生のうちに扶養をはずれよう!

扶養を外れると10〜20万円ほど(扶養家族手当がある会社ならもっと)親の負担が重くなる、という話から、何としてでも扶養を外れないという前提でいろいろ考えてきましたが、利益が数百万円を超えるようであれば扶養を外れたほうがお得な場合があります。

何度も書いてますが、仮想通貨の売買益は雑所得扱いですので、収入が少ないほど所得税の利率が低くなります。つまり、給与所得が無い学生は、195万円までの利益にかかる税金が住民税10%+所得税5%で15%! なんと株より安い!

これが社会人2年目、年収250万円で仮想通貨の利益が195万円だったとすると、それだけで80万円ぶんは5%、115万円ぶんは15%余分に税金を払う必要があるわけです。

差額は21.25万円。こんなんなら学生時代に売っておくんだった!! と後悔するでしょう。単純化のため、もらえる年金の額の増減などは考えていませんが、定年後の数百万円より20代の20万円の方が重要度は高いのではないでしょうか。

最近LiskとBCHがさらに上がりつつあるので、12月末日までこの選択肢も残しておこうかな、と思っています。その場合、親にはいくら負担が増えるか聞いて、その分をビットコインで送りつけようかしら……。

ただ、来年度から月15万円(課税前)を国から貰える身分になるのですが、再来年度以降の継続が不透明なのでなんとも言えない状態です。

学振とれば何の問題も無いんですけどね!

 

さいごに

研究者として国や企業からお金をとってきたり、学振やリーディングプログラムなんかで給付金を受け取るにあたって、税金周りの知識は必須です。

 

あいつ研究もせずに何やってんだ……とか思わないでくださいね!!

研究も税金の勉強もがんばってます!!

 

……え? トレードは研究に関係あるのかって……?

健全な研究活動は、健全な経済状態あってこそですから……!!